生産・物流停滞で海運、半導体株に注目!新興株の見直し買いも!?

 今週は、8月31日(火)の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や9月1日(水)の米国ISM製造業景況指数など、製造業関連の経済指標の発表が相次ぎます。

 今、世界では日本同様に新型コロナウイルスのデルタ株(インド由来の変異株)まん延による生産活動や物流の停滞が経済回復の足を引っ張っています。米国や中国の経済指標が予想外に落ち込むと、製造業の割合の大きい日本株にも悪影響が出ます。

 では、そんな状況で株価が上がりやすい業種は何でしょうか?

 たとえば、日本国内だけ見ているとコロナ禍もあり「不景気」にしか見えませんが、実は今年に入って海運会社No.1の日本郵船(9101)は物流網ひっ迫による船賃上昇で過去最高益を更新。株価も3.5倍近く上昇しています。

 コロナ禍によるネットやIT需要の高まりもあって、半導体不足も深刻です。先週のパウエル議長のハト派(金融緩和に寛容な態度)な講演内容もあり、今週は、こうした海運株や半導体関連株に注目が集まりそうです。

 米国では先週、会社の規模が小さい小型株の株価を指数化した「ラッセル2000」が大きく上昇しました。日本市場でも、7月以降、売られてきたマザーズ、ジャスダック市場のIT、ネット関連の小型株の見直し買いが続いていますが、今週もその流れが継続しそうです。

 そして、月の初めに世界中が注目する経済指標といえば、9月3日(金)21時30分に発表される米国雇用統計。パウエル議長が金融政策の転換をためらっているのは、米国の雇用状況が「さらなる本格的な前進」に達していないから。

 6月、7月の非農業部門新規雇用者数は90万人を超えるペースで増えていますが、今回の8月分でもその強さが続くかどうかに注目が集まります。

 不安材料としてはアフガニスタン情勢。先週に引き続き、大規模なテロに対する警戒が必要です。

 初心者の方には「難しい」と思えるかもしれませんが、米国など世界を知ることが株式投資上達の秘訣です。「世界経済は今どうなっているか」を楽しみながら見渡せるようになりましょう!