5年後に獲得できるリターンが高いのはどっち?

答え

1:5年間にわたり、毎年5%ずつリターンを獲得できるファンド

「5年にわたり毎年5%ずつ」と「5年ごとに25%」というのは、一見するとリターンに差がないように思えます。

 この問題を解くヒントは、「年率リターン」と「複利効果」に隠されています。

 年率リターンとは、期間リターンを「1年あたり」に換算したもので、「1年あたりリターン」とも言います。年率リターンを使うと、この問題の例のような、異なる計算期間の商品を比較しやすくなります。

 Aの年率リターンは、問題の通り「毎年5%」なので「5%」です。

 一方、Bの年率リターンは、以下の式で求められ、「4.6%」となります。

「25÷5=5」とならないのは、複利効果(得られた利益を元本に毎年積み上げ、継続的に運用することで、元本がふくらんでいく効果)があるためです。

 ちなみに、上記の計算を表計算ソフト上で行う場合は、セルに下記の数式を入力してください。

=(0.25+1)^(1/5)-1

 では、AとBそれぞれの5年間の期間リターンは何%でしょうか。

 Bの期間リターンは、やはり問題文の通り、「5年ごとに25%」なので、「25%」です。

 一方、Aの期間リターンは、複利効果を考慮に入れた以下の式で求められます。

 こちらも、表計算ソフト上で計算を行う場合は、セルに下記の数式を入力してください。

=(0.05+1)^5-1

 以上をまとめると、Aの「5年間にわたり、毎年5%ずつリターンを獲得できるファンド」の方が、5年後に獲得できるリターンが高いことが分かります。

  年率 期間リターン
5年間にわたり毎年5%ずつ
リターンを獲得できるファンド
5.0% 27.6%
5年間ごとに25%ずつ
リターンを獲得できるファンド
4.6% 25.0%

 では、年率リターンについて理解が深まったところで、もう1問クイズをお出ししましょう。

問題以下の三つの投資信託の年率リターンは何%でしょうか。
  1. 3年の期間リターンが14.5%のファンド
  2. 8年の期間リターンが43.5%のファンド
  3. 20年の期間リターンが144.5%のファンド