日本株で成功、ろくすけさん

 一方、日本株投資によって資産を築き、FIREを実現したのが、ろくすけさん。

 ろくすけさんは、20代半ばでインデックスファンドを買い始め、およそ10年で3,000万円の資産を構築。30代半ばから本格的に日本株の個別株式投資を開始し、約20年で3億円超まで資産を増やした。

 米国株ブームに沸く中、ろくすけさんが日本株にこだわるのは、一つ一つまじめに取り組む日本企業を認めたい、応援したい、という思いだ。

「市場全体の成長性を比較したら米国に遠く及ばない。今後も人口が増え続けると考えられている米国に対して、日本は人口減少に歯止めがかからない状況のため、両者の開きはさらに広がる可能性はあります。しかし、そんな中でも適切に事業領域を選択した上で、企業努力によって米国企業をしのぐくらいの成長を遂げている企業がたくさんあります。ならば、そういう企業を応援したいんです」(ろくすけさん)。

日本株で資金作りするメリット

 また、「米国株だけがもてはやされている現状に一石を投じ、1人でも多くの人に日本株のよさを再認識してもらいたいです。日本の企業が創造する価値は、株価上昇や配当という形で、できるだけ日本人が享受して欲しいという思いもあります」とろくすけさんは語る。

 ろくすけさんが重視する日本株の魅力=銘柄選びのポイントは「長期成長率」だ。

 米国株と比較すると、成長スピードは遅く、ぱっとした派手さはない日本株だが、ろくすけさんは、利益成長スピードよりもその持続性を重視して銘柄を選ぶ。

 成長の持続性を調べるカギとなるのが「経営者」だ。

「長期にわたって成長を続ける企業かどうかを見分けるために私が重要視するのは経営者の考え方です。米国株などでは経営者を知る機会はなかなかありませんが、株主総会などに積極的に出席して、経営者の考え、人となりを知って、成長力が長期に持続するかを判断しています」(ろくすけさん)。

 日本にいるからこそ、日本の企業をよく知るチャンスも多い。

 身の回りのほんのちょっとした変化をヒントにしたり、また疑問点をIRに照会するなどして、独自の分析を深めることができるのが日本株投資の良さといえる。

 投資の世界ではよく知られる「スゴ腕投資家」であるろくすけさんほどの企業分析力は一朝一夕には身につかないが、成功したときの理由はもちろん、失敗したときの理由も分かるし、なぜ失敗したかの情報提供者=投資仲間もごまんといる。

 投資初心者がまず手始めに挑戦するならば、日本株という選択肢は有効といえる。