新型コロナウイルス感染症の爆発的なまん延に加え、線状降水帯による水害多発と、多難が続く国内状況。今週16日(月)から20日(金)の日本株は値固め、もしくは我慢の1週間になりそうです。

国内の海運株や求人関連株が好調。米国株は最高値更新!

 先週がお盆ウイークだった日本市場は、日経平均株価が2万8,000円の大台を一時回復するなど、底堅く推移しました。

 コロナ禍による物流網のひっ迫で船賃上昇の続く明治海運(9115)など中小型海運株が急騰したほか、12日(木)に今期業績を早くも上方修正したリクルートHD(6098)の株価が翌日に10%上昇するなど、業績回復が鮮明な求人関連株も好調でした。

 米国では、11日(水)に発表された7月のCPI(消費者物価指数)が前年同期比5.4%増と予想の範囲内に収まり、物価上昇が際立っていた中古車やガソリン価格、航空運賃の伸びが鈍化したこともあり、13日(金)にはNYダウ、S&P500がそろって過去最高値を更新。それも先週、日本株が底堅く推移する要因になりました。

 日本株自体の上昇力はそれほど強くないのですが、米国株が好調すぎるので、日本株も大きく下がらない、といった状況が続いています。

 とはいえ、12日(木)に発表されたPPI(米国生産者物価指数。企業サイドの物価動向を示した指標)が前年比7.8%増と2010年以来で最大の伸びを記録。

 これを受けて、米国の10年国債の金利が1.3%台まで上昇し、金利が上昇すると下落しやすい成長株主体のナスダック総合指数は週間で小幅ながら下落しました。

 米国の12地区にある連邦準備銀行の中には、10月からテーパリング(量的緩和策の縮小)を開始すべきと主張する総裁もいるなど、テーパリング開始時期についての議論が今後は米国株の不安要素になりそうです。

 中でも8月のこの時期になると注目されるのが、米国ワイオミング州ジャクソンホールで毎年、各国中央銀行要人などを集めて開かれる経済シンポジウムです。

 今年は8月26日~28日に開催される予定ですが、その席でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が従来のハト派(金融緩和的な政策を支持する傾向)的な言動で市場の懐疑心をなだめるのか、それとも一転、テーパリングの具体的な内容に踏み込むのかに注目が集まります。