I’ll Stand by You

 なぜドル/円は下落したのか?この日の米10年債利回りは1.30%台を割り1.28%まで弱含み。1.30%という水準は、ドル/円が110円台を維持するための条件のひとつ。その米長期金利が低下したのでドルも下落。ドル/円も109円台に下げたのです。

 では、なぜ米長期金利は低下したのか?この日発表された、米消費者マインドを表す代表的な指標であるミシガン大学消費者態度指数が、10年ぶりの低水準となったことが理由。7月CPI(消費者物価指数)に続いての予想を下回る指標結果が、クラリダ副議長発言で盛り上がっていた米利上げ観測に冷や水を浴びせました。

 米経済は早くも減速したのか?ミシガン大学消費者態度指数に反応して米長期金利が下がり、ドルも売られました。しかし、NY株式市場のダウ平均株価は4日連続で史上最高値を更新。ということは、この日の動きはリスクオフ(投資家心理の悪化)というよりも、FRB(米連邦準備制度理事会)利上げ予想時期の再修正にすぎないととらえるべき。多少のでこぼこはあったとしても、米経済が復興の道を進んでいることは間違いありません。先走りしすぎた期待に調整が起きているだけで、ファンダメンタルズに深刻な問題が発生しているわけではない。しかし、コロナ変異株の感染拡大によって、そのスケジュールに大幅な遅れがでそうな不安もあります。