当座のお金の工面に使える「生活福祉資金貸付制度」

 投資にはリスクがつきものです。2008年秋に起きたリーマンショック級の大暴落や金融恐慌が発生すると、資産半減どころか、その大半を失う可能性もあります。当座のお金にも困ったときは、国の「生活福祉資金貸付制度」も利用できます。

 新型コロナウイルス感染症の影響で拡充された「緊急小口資金貸付」なら、最大20万円(コロナ禍の影響でない場合は最大10万円)までを無利子、保証人不要で借りることができます。返済期限は2年以内です。

「総合支援資金貸付」を利用すると、生活資金として1人世帯で最大15万円を3カ月間借りられます。ただし、連帯保証人がいない場合、年1.5%の貸付利子がかかります。

本当に困ったら生活保護の受給も視野に

 運用の失敗で資産がほぼすべてなくなり、援助してくれる親族もおらず、病気などで働けなくなった場合は「生活保護」の申請も考えましょう。収入が各地方自治体の決めた最低生活費に満たない場合、その差額を保護費として支給してもらえます。

 申請は住民票のある市区町村にある福祉事務所の生活保護担当課で行います。銀行預金の通帳の提出や扶養できる親族がいないかどうかの調査があり、生活保護の受給期間は収入の報告やケースワーカーの訪問調査を受ける必要があります。

 東京都の単身者の生活扶助額はおよそ7万~8万円といわれています。これに住宅扶助が加わり、医療費などは原則無料になります。

 こうした貸付制度や生活保護に関しては、申請をためらう人もいますが、お金に困ったからといって高金利のカードローンに頼ったり、友人などに無理に借金を申し込んで人間関係が崩れたりする前に、公的な支援制度をうまく活用しましょう。

 特に生活保護は、憲法25条に規定された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」です。毎月の収入が最低生活費を下回っていて、努力しているのにそれでも生活費が足りないという状況に陥った場合、どんなに若い人でも受給することができます。生活保護申請を支援するNPO法人などもあるので、困ったときは相談しましょう。