東京五輪が閉幕。お盆前に「閑散に売りなし」の状況?

 冒頭でも述べたように今週は月曜日が振替休日で4営業日しかなく、お盆も控えていることから、取引高が減少することで大きな売りも出ず、相場が落ち着く「閑散に売りなし」の展開になりそうです。

 ただし、10日(火)には、保有するアリババ株など中国IT株下落で何かと注目されるソフトバンクグループ(9984)の決算発表があります。前期は過去最高の4.99兆円もの純利益を叩き出した同社ですが、株価は決算発表のあった5月12日以降、材料出尽くしや中国政府による民間IT企業の締め付けを受けて下落が続いています。

 中国ではITや教育の規制強化に続き、「オンラインゲームはアヘン(麻薬の一種)」といった論調が打ち出され、テンセントなどゲーム関連企業の株価が下落しました。ソフトバンクGの株が決算発表をきっかけに再上昇するのか、中国の統制強化を嫌気してさらに売られるのか、その株価動向が注目されます。

 一方、米国では11日(水)夜に、7月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。7月発表の6月分は前年同期比5.3%と非常に高い上昇率でしたが、株価は反応薄でした。

 今回も5.4%という高い上昇が予想されています。その元凶になってきた中古車価格の値上がりは落ち着きを見せているようです。しかし、結果が予想以上に上振れすると、FRBの早期テーパリング開始の懸念や、物価上昇による個人消費の減退が不安視され、史上最高値圏にある米国株が利益確定売りで下落する可能性もあります。

 東京五輪も終了し、8月24日(火)に開会予定の東京パラリンピックまで“お祭り”は小休止。相変わらず増加の一途をたどる新型コロナウイルス感染者の数が再び国民心理に影を落としそうです。

 感染者拡大で日本株の足を引っ張っている内需株、また、7月以降、海外投資家の売りで下落が続く東証マザーズ市場のIT株などを買い戻す動きが出るかどうかに期待したいところです。