今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは111.70

下値メドは109.20

国境炭素調整が保護貿易の新たな口実に使われるおそれ

 28日(水曜)のドル/円は 110円を挟んで上下。高値110.28円、安値109.73円、1日の値幅0.55円。 

 この日は109.73円からスタート。全く下がらず安値も109.73円。まずは円安に進み、欧州時間に110円台へ。NY時間午後、FOMC(米連邦公開市場委員会)会合後に一瞬110.28円まで上昇しましたが、すぐに売りに押し戻される。終値は109.91円(前日比+0.10円)。

 夏休み前最後となる7月会合を終えたFOMCは声明文を発表しましたが、これが予想以上に強気な内容でした。「米経済は、FRB(米連邦準備制度理事会)の目標に向けて前進した。」すなわち、緩和縮小開始を検討するに十分なほど、経済は回復していることを認めたことになります。次回9月のFOMC、あるいはその前の8月ジャクソンホールにおいて、正式に緩和縮小を発表する可能性が高まってきました。

 FRBの緩和政策は、コロナ禍の米経済を支えることが本来の目的。したがって米経済が回復するに伴い、緩和政策の必要も少なくなります。米国景気回復の前提はコロナ感染の抑制が前提条件ですが、パウエルFRB議長が、慎重ながらもデルタ変異株について深刻な懸念を示さなかったことも、強気サインと受け取られました。

 だからといって、FRBがタカ派に転向したと断定するのはまだ早い。緩和縮小はリスク管理ツールのひとつ。インフレ急上昇した場合の準備を怠りなく行っているのであって、必ずしも実施するわけではありません。パウエルFRB議長は、インフレは一時的、ましてや利上げは「まだまだ先」と記者会見で強調しました。これはマーケットにとってはやや失望となりました。

 FOMCの会合結果は、全体を通して見ると、タカ派、ハト派に極端に偏らずバランスがとれていました。声明文は強気(タカ派寄り)、一方パウエルFRB議長の会見は慎重(ハト派寄り)。それに合わせてドルも上下しましたが、新しい方向感はでませんでした。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

今日できても、翌日、一歩を踏み出せるか。それが勝敗を分ける