Born in the USA

 BLS(米労働省労働統計局)が2日発表した雇用統計によると、6月のNFP(非農業部門雇用者数)は85.0万人増え(5月+58.3万人、4月+27.8万人)、失業率は5.9%(4月6.1%、5月5.8%)になりました。業種別の雇用を見ると、外食・飲食部門を中心に、レジャー・サービス業が約35万人の大幅増加となっています。ワクチン普及による移動制限の緩和と経済再開の進展が、雇用拡大につながっていることを示しています。求人も増えていて、6月の離職者(新しい職を探すために自主的に仕事を辞めた人)は、16.4万人増え94.2万人になりました。

 平均労働賃金は、前月比0.3%増、前年比3.6%増。平均賃金は業種によって差がありますが、全体としては、賃金高騰の兆候は見られません。また、週の労働時間も若干低下しました。労働環境が改善されて「人手不足による従業員の残業」が少なくなったことを示しています。

 米国ではコロナ禍のなかで、昨年3月と4月のたった2カ月の間に2240万人もの雇用が失われました。6月のNFPは、2020年4月時点から1,560万人増加しました。しかし新型コロナ感染流行前の2020年2月の水準に比べると、まだ680万人少ない状況です。

 別の見方をするならば、もし非農業部門雇用者数が毎月100万人のペースで増えるなら、今年の年末には、雇用市場はコロナ前の状態に戻れることになります。FRB(米連邦準備制度理事会)が来年1月から緩和縮小を始める強い動機になるでしょう。