好調な日本の製造業の行方は!?今週発表の日銀短観に注目

 今週木曜日からは2021年も後半戦の7月に入ります。米国では7月4日(日)の独立記念日から9月第1月曜日のレイバー・デー(労働者の日)までの期間は、株価が上昇しやすい「サマーラリー」のシーズンといわれています。

 そんな中、日本国内では、7月1日(木)に発表される「日銀短観」に注目が集まりそうです。

「全国企業短期経済観測調査」が正式名称の短観は、日本の中央銀行である日本銀行が全国およそ9,500社の景況感を調査した、日本では最重要の経済指標です。

 最近や先行きの景気を「良い」「さほど良くない」「悪い」の中から回答してもらい、「良い」から「悪い」を引いた数を「DI」という指数にして年4回、発表しています。

 3月の業況判断DIでは、大企業の製造業で前回比+15ポイントの大幅改善、大企業の非製造業で+4ポイントの持ち直しと、3期連続で好転しました。

 海外の景気回復を受けて業績回復が続く製造業の景況感が今回、どれぐらい加速するか、コロナ禍でいまだにマイナス圏にある非製造業の景況感がどの程度、改善するかに関心が集まりそうです。

 好調な製造業の業況判断DIもあって、今年の株式市場では、自動車、鉄鋼、化学といった日本を代表する輸出企業の株価が堅調に推移しています。

 海外との貿易で潤う海運株は特に絶好調で、その代表的企業である日本郵船(9101)は2021年に入って株価が2倍近くまで上昇している程です。

 日経平均株価は2万9,000円前後、東証株価指数TOPIXは1,900ポイント台で一進一退を続けていますが、個別企業の株に目を向けると、景気動向次第で株価倍増も夢ではないのが株式投資の魅力といえるでしょう。

 7月2日(金)には、世界中で最も注目度の高い経済指標といわれる「米国雇用統計」の発表も控えています。

 6月の失業率や非農業部門の新規雇用者数などが明らかになりますが、あまりに良い数字が出るとFRBの早期利上げ観測が強まり、株式市場が乱高下する、という「不思議な動き」になる可能性もあるので注意しましょう。