タカ派見通しなら金利高、ドル高に要警戒

 また、金利見通しについては、3月は2021年、2022年、2023年とも中央値はゼロ金利を維持する見通しでしたが、この「2023年末までゼロ金利」との見通しが変わるのかどうか」、そして、「その中で2022年に利上げを予想するFOMCメンバーは前回4人、23年に利上げを見込むメンバーは7人でしたが、この人数が増えるのかどうか」に注目です。マーケットでは増えるとの見方が大勢です。

 タカ派的な見通しとなった場合、テーパリングや利上げ時期の前倒し期待が高まり、相場が金利高、ドル高に反応する可能性があるため、注意が必要です。そして、その場合、パウエル議長は、従来から主張している「インフレは一時的」との整合性をどのように説明するのか注目です。

 過去2カ月の雇用回復のペースを見ている限り、他の理事たちのタカ派的見方や発言が増えても、パウエル議長の姿勢は変わらないと予想され、「議論はしたが、条件がそろうにはまだ時間がかかる」と強調するのではないでしょうか。テーパリングへの道筋が少し見えてきたとしても、まだ時間がかかるのであれば、ドル/円は多少上振れても、方向付ける流れにはなりにくいかもしれません。