共和党州では7月上旬で失業手当を打ち切り
米経済対策として失業手当の週300ドル上乗せについては、米労働者の復職意欲を高めるため、早めに打ち切る州が出てきたということを以前お話しましたが、現時点では共和党が政権を握る25州では7月上旬までに打ち切られるとのことです。
そうなると、打ち切りによって復職が反映される7月の雇用統計(8月発表)が注目されます。また、残り25州でも制度が終了する9月の雇用統計(10月発表)に反映されるため、8~10月にかけて雇用回復が加速するかもしれません。予想以上に雇用回復が加速するのであれば、8~10月の雇用統計発表に合わせて、テーパリングの早期開始期待が高まり、相場が動くかもしれません。
一方で、雇用回復に伴って賃金上昇が和らぐ可能性もあり、インフレへの警戒心が後退するのかどうかも注目したい点です。賃金上昇が和らげば、反対にテーパリング期待が後退することになりますが、雇用が回復しても賃金上昇に歯止めがかからなければ、インフレは一時的とはいえなくなることも予想され、注意が必要です。
今週のFOMCでは、政策変更の時期を匂わす直接的な表現はないと予想されますが、注意しないといけないのは、匂わす表現がなくてもインフレ見通しや金利見通し(ドットチャート)で、前回よりタカ派的な見通しとなった場合です。
3月の物価見通しでは、2021年末に2.2%、22年末に2.0%、23年末に2.1%と、その前の12月時点よりも上方改定されていますが、今回も、21年末や22年末の見通しが上方改定されるのかどうか注目です。