米国高配当株5:NRGエナジー(NRG)

 米国東海岸とテキサス州など11州の電力自由化地域で事業展開する大手小売電気事業者で、顧客の求めるサービスに応じて、さまざまな電力サービスを提供しています。

 再生可能エネルギーによる電力を100%求める顧客向けには「Green Mountain Energy」を、割安な料金を求める顧客向けには「Pennywise Power」、他にも価格と高品質のバランスのよい「Cirro Energy」など、さまざまなブランドで事業展開しています。

 時価総額は90億ドルで、日本円で約9,900億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は東海岸事業と、テキサス事業で、二つの事業で売り上の約9割を上げており、続いて「その他事業(Other)」が約1割となっています。

出所:NRGエナジー決算データより筆者作成

 テキサス州やニューヨーク州などの東海岸の顧客へ、天然ガス、石炭を中心に、再生可能エネルギー、原子力などにより生成した電力を提供しています。

 特に天然ガスは、手頃な価格で米国内で生産され、他の従来のエネルギー源よりも二酸化炭素の排出量が少ないため、エナジーインクは石炭火力発電所を天然ガス利用施設への移行をすすめており、環境面にも配慮した運営を行っています。

競合他社

 競合他社として、すでにご紹介したエジソン・インターナショナル(EIX)や、同様に米国の各州に電気を供給するファーストエナジー(FE)アヴァングリッド(AGR)などの公益事業銘柄が見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで回復していませんが、配当は今年に入って増配をしております。

 株価が戻っていない要因として、今年2月中旬、温暖なテキサス州で記録的寒波が発生し、大規模停電が起きました。

 それに伴い、全米の石油生産の4割を占めるテキサスがそのような状況に陥ったことによる発電コストの上昇などで、大きく利益が減ったことも株価の回復が重い要因のようです。

 その後も、米国のインフレ懸念などを背景として株価は下落しておりますが、その分、利回りは上昇し、魅力的な水準となっています。

業績動向

 2021年5月6日開示の四半期決算ではEPSは市場予想を下回り、売り上げは市場予想を上回りました。

 テキサス州を襲った大寒波の影響により業績に影響が出ており、そういった状況によりEPSが市場予想を下回りました。

 今後は、買収した北米全体で400万人の顧客を抱えるDirect Energyなどとの相乗効果によって、業績が回復することが期待されます。

 次回2021年8月11日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 会社側は注意事項として「COVID-19またはその他のパンデミックが当社の事業に影響をおよぼす可能性、政府または市場規制の変化」など、複数の事項を挙げていますが、やはり今回のように天候によって大きな影響を受ける可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:1.3ドル
配当利回り:3.50%
株価:37.08ドル(約4,000円)

 権利落ち日は7月下旬予定(権利実施は8月中旬予定)です(2021年6月14日時点で未確定。昨年を参照)。

 配当は1.3ドル、配当利回りは3.50%、株価は37.08ドルで約4,000円から購入できます(2021年6月14日時点)。

 2018年以降の最高値は43.93ドル、最安値は21.99ドルです(終値ベース)。

【要チェック】
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