米国高配当株1:バンク・オブ・ノバスコシア(BNS)

 カナダ5大銀行のうちの一つで、カナダ第3位の銀行です。

 カナダ以外では米国、メキシコ、ペルー、チリ、コロンビアでも事業を展開しています。

 時価総額は807億ドルで、日本円で約8兆8,800億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「カナダ国内金融事業(Canadian Banking)」と「国際金融事業(International Banking)」で、続いて「グローバル・ウェルス・マネジメント(Global Wealth Management)」「グローバル金融市場事業(Global Banking and Markets)」「その他(Other)」となります(2021年4月期)。

出所:バンク・オブ・ノバスコシア決算データより筆者作成

 また、地域別の構成はカナダが約6割、続いてメキシコ、チリ、カリブ海と中央アメリカ、その他地域、米国、ペルー、コロンビアとなります。

 各地域において、住宅ローンや企業向けのソリューションビジネス、富裕層向けのウェルスマネジメントサービスなどのさまざまな事業を展開しており、順調に預金量が増え資産規模が拡大しています。

競合他社

 競合他社として、同じくカナダを中心とした金融会社でバンク・オブ・モントリオール(BMO)カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CM)ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RY)などが挙げられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年2020年の高値を超えています。

 また、配当は四半期ごとの変動はあるものの、新型コロナウイルス発生前の水準を超えて推移しています。

 他にもバンク・オブ・ノバスコシアは、ESG(環境・社会・企業統治)評価の指標の一つである「MSCI ESG Rating」において世界の銀行の2%だけが取得している最上位の「AAA」を獲得。マーケティングリサーチで著名なJ.D. Power社の顧客満足度調査ではカナダ2位となっています。

 それらの評価に加えて、コロナワクチン流通の広がりや、政府支援策による貸倒引当金の減少、住宅ローンなどの手数料収入の増加により業績が回復し、それに伴い株価が回復しています。

業績動向

 2021年6月1日開示の四半期決算ではEPS(1株当たり利益)は市場予想を上回りましたが、売上高は市場予想を下回りました。決算を受けての株価の変動はあまりありませんでしたが、売上高・EPSについては前年同期を上回るとともに、新型コロナ発生前の水準も超えています。

 カナダ中央銀行による緊急流動性プログラムの影響もあり、業績の回復が早かったようです。

 次回は8月24日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 カナダでは、今後2年間が1985年以降で最も成長率の高い年になると予想されており、バンク・オブ・ノバスコシアの業績も堅調となることが想定されます。

 しかし一方で、インフレの高まりによる経済への影響によっては、見通しどおりにいかない可能性もあり、注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:2.98ドル
配当利回り:4.47%
株価:66.52ドル(約7,300円)

 権利落ち日は7月2日(権利実施日は7月28日)です。

 配当は2.98ドル、配当利回りは4.47%、株価は66.52ドルで約7,300円から購入できます(2021年6月14日時点)。2018年以降の最高値は68.00ドル、最安値は32.16ドルです(終値ベース)。