利上げのヒントはドットチャートに

 今回のFOMC(米連邦公開市場委員会)のもうひとつの注目は「ドットチャート」です。ドットチャートとは、FOMCメンバーが予想する米国の政策金利FF(フェデラルファンド)レートの見通しで、毎年3、6、9、12月に公表されます。それぞれがひとつの点(ドット)として散布図になっているため、このように呼ばれています。

前回3月は、FOMCメンバーの18人中7人が「2023年末までに利上げ」を予想していました。逆に言えば、18人中11人が「金利据え置き」を予想していたことになります。FRB利上げは2024年以降という予想の根拠でもありました。

 しかし、今回のFOMCでは、2023年の金利予想の中央値が「据え置き」から「利上げ」に変わるとの予想が広がっています。メンバー3名以上が予想を利上げに変更すると考えているのですが、そうならなかった場合、失望からドル売りが一気に強まる可能性もあります。パウエルFRB議長は「ドットチャートはメンバー個人の見解であって、FOMCの政策予定ではない」と述べています。