損切りNG思考(2)よい会社の株だけを買うようにする

 2つ目は、「よい会社の株だけを買う」というものです。

 確かに、業績がよくない銘柄や、あるテーマに関連して短期間で急騰している銘柄を高値づかみしてしまえば、その後、株価が下落して損切りとなる可能性も高まりますから、間違ったことは言っていません。

 では、なぜこの解決策がよくないかといえば、「そもそも個人投資家の大部分はよい会社の株を選別して買うことができない」からです。

 無論、業績が今後も伸びるような、よい会社を株価が大きく上昇する前から見つけて投資することができれば、その後、株価が多少下がろうが、持ち続けることにより株価が上昇しますから、損切りそのものを考える必要がなくなります。

 でも、筆者も含め大部分の個人投資家は、「この会社はきっとよい会社だ!」と思って選んだ銘柄が、実はよくなかった、というケースが頻繁に生じるのです。

 また、確かに買った時点ではよい会社だったかもしれませんが、その後の環境変化によりよい会社から転落してしまうこともあります。そうなると、株価は当然下がってしまう可能性が高いですし、株価下落を我慢して保有を続ければ続けるほど損失が拡大してしまう恐れが高いのです。

 ですから、「(2)よい会社の株だけを買うようにする」は、机上では正しいのですが、実際に多くの個人投資家ができないことなので、お勧めしません。