※本記事は2020年8月8日に公開したものです。

株式投資の売り時を考える(2)を読む

買い時の何倍も難しい「売り時」の見極め

 株式投資では買い時の見極めより売り時の見極めの方が何倍も難しいといわれています。筆者も、売り時を捉えることは非常に難しいとつくづく感じます。

 そこで今回と次回は、売り時のタイミングやその見極め方などについて、筆者が実践していることも踏まえながらお話したいと思います。

 利益を確定する際の売り時は突き詰めて考えれば「上昇トレンドの途中で売る」か「上昇トレンドの終了を確認してから売る」かの2つに大別できます。そこで、今回は「上昇途中で売る」「上昇トレンド終了後に売る」の2つの方法についてメリットや注意点を考えていきます。

短期売買なら過熱感が高まったら上昇途中でも売る

 上昇トレンド途中で売るという方法は、どちらかといえば短期売買の場合により有効なものです。

 短期売買では、利益の確保が最重要課題です。「まだまだ上がる」と欲をかいて持ち続けた結果、逆に利益を大きく減らしたり損失が生じてしまっては元も子もありません。したがって、個別銘柄の株価や相場全体に過熱感が生じてきたら上昇途中であっても売却して利益を確保する、という考え方です。

 特に新興市場銘柄をはじめ値動きの激しい銘柄は、調子良く株価が上昇していたかと思えばある日ある時突然急落し、2~3日で株価が30%、50%も下落してしまうことも決して珍しくありません。そうなる前に、確実に利益を確保しておくことが重要です。