個別銘柄や相場全体の過熱感はどうやって把握する?

 個別銘柄の過熱感をみるには、例えば25日移動平均線からの株価の乖離(かいり)率を参考にします。注意したいのは、銘柄によってどのくらい乖離したら過熱状態といえるかが異なるという点です。

 東証1部上場の大型株であれば30%上方に乖離したら買われすぎ、といえますが、小型株や新興市場銘柄などは平気で100%以上乖離することもあります。銘柄ごとの特徴を見極めるために、過去の株価や移動平均線の動きを株価チャートでチェックし、乖離率がどの程度まで達したら株価が反落・調整する傾向にあるのかを確認しておくとよいでしょう。

 相場全体の過熱感をはかるには、「騰落レシオ」や「信用評価損益率」、さらには日経平均株価の25日移動平均線からの乖離率などを用います。日経平均株価の25日移動平均線からの上方乖離率が10%に近づいたら要注意といえます。

中長期投資なら上昇トレンド終了後に売ってできるだけ利をのばす

 上昇トレンドの終了を確認した時点で売るという方法は、どちらかといえば中長期投資の場合により有効です。短期売買は大きな利益を狙うというよりは少ない値幅であれ利益自体を1回1回しっかりと確保する、というスタイルですが、中長期投資はトレンドが続く限り保有し続けて大きな値幅を取る、というスタイルだからです。

 中長期投資では、上昇トレンドの継続途中で売ってしまうと、その後のさらなる大きな上昇があったときにせっかくの大きな利益を得るチャンスを逃してしまいかねません。
 実践上も、短期的に多少過熱感が生じたとしても、長い目で見ればその後再び上昇をはじめ、最終的に大きく上昇することもよくあります。

上昇トレンド終了はどうやって把握するか?

 上昇トレンドの終了の可能性を探るためには、移動平均線の向きや、移動平均線と株価の関係を用います。たとえば上向きだった移動平均線が下向きに転じたり、株価が移動平均線を割り込んだ場合は上昇トレンド終了の可能性が高まりますから、そこで持ち株を売却することとなります。対象とする移動平均線は、筆者であれば日足チャートには25日、週足なら13週、月足では12カ月のものを使います。

 数カ月程度の中期投資であれば日足チャート+25日移動平均線や週足チャート+13週移動平均線で判断すればよいですが、長期投資なら月足チャート+12カ月移動平均線を使って、長期的な上昇トレンドが終わるまでは持ち続けるのもよいでしょう。