米景気は「ほどよい湯加減」?

 6月4日に、5月の米雇用統計が発表となりました。ワクチン接種が進み、米雇用の回復が続いていますが、市場想定ほど強い回復ではありませんでした。

【1】雇用増加は55万9,000人
 5月の非農業部門雇用者数は、前月比で55万9,000人の増加でした。順調に回復が続いているものの、事前の市場予想(65万人増)は下回りました。

 4月に続き、2カ月続けて市場予想を下回る伸びとなったことから、雇用が急回復して、米景気が一気に過熱に向かい、FRB(米連邦準備制度理事会)がテーパリングを迫られるリスクは低下したと見られました。

米雇用統計・非農業部門雇用者増加数(前月比):2019年1月~2021年5月

出所:米労働省

【2】失業率は0.2ポイント改善の5.9%
 5月の完全失業率は5.9%で、4月の6.1%から0.2%改善。ただし、コロナの影響が出る前の2020年2月の3.5%と比べると、まだ高い水準です。すぐにテーパリングを迫られるほどの回復にはなっていないと考えられます。

米雇用統計・完全失業率:2014年1月~2021年5月

出所:米労働省