ISM景況指数はコロナ前の水準超え。米景気過熱リスクは続く

 株式市場が心配しているのは、FRBが早期テーパリングを迫られることです。FRBは金融政策を決定にあたり、雇用情勢を特に重視しているので、「雇用が想定以下」だったことから、「早期テーパリングの可能性は低下」と見られました。

 ただし、これだけで、年後半に米景気が過熱するリスクが低下したと考えるのは早計です。以下の通り、ISM景況指数はコロナ前の水準を超えており、米景気が過熱しつつある懸念は消えていません。

米ISM製造業・非製造業景況指数:2018年1月~2021年5月

出所:米ISM供給管理公社

 5月の製造業景況指数は61.2とコロナ前で世界景気が好調だった2018年の水準まで戻っています。注目すべきは5月の非製造業景況指数が64.0まで上昇したことです。

 2018年の水準を超えています。コロナからの回復に加え、1.9兆ドルの財政支出まで出るため、一時的に非製造業まで過熱するリスクが出ています。