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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
[動画で解説]最高値に迫るNYダウ。米景気「ほどよい湯加減」?日本のバリュー株は買い場?
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日経平均は2万9,000円前後でもたつき。NYダウは最高値に迫る

 先週(5月31日~6月4日)の日経平均株価は1週間で207円下がり、2万8,941円となりました。先週のNYダウが1週間で226ドル高の3万4,756ドルと、史上最高値(5月7日の3万4,756ドル)に接近したのに対し、日経平均はもたついています。

NYダウと日経平均の動き:2020年10月1日~2021年6月4日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ワクチン接種の遅れ、緊急事態宣言延長で、景気回復が遅れる懸念が出ていることが日経平均上昇の障害となっています。

 一方、米国景気は好調ですが、好調過ぎて年後半に過熱する懸念が出ていることがNYダウの上値を抑えていました。景気が好調過ぎるとFRB(米連邦準備制度理事会)がテーパリング(金融緩和の縮小)の議論を始めなくてはならなくなることが、不安材料となっていました。

 ところが先週は、雇用統計の改善が想定を下回り、米景気が過熱する懸念が少しだけやわらぎました。米景気が「想定ほど強くない」ことを好感して、NYダウは最高値に迫る動きとなりました。