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「インフレは、今後数カ月以内に急上昇する可能性があるが、一過性だ。」イエレン財務長官はこのように述べています。

 米国では牛肉の卸売価格が昨年9月から40%も値上がりしています。このインフレが本当に一過性で終わるのかは、来年になって初めてわかること。どんどん上がる物価を目の前にして平常心を保つのは難しい。

 FRB(米連邦準備制度理事会)も、最近ではインフレ指標が軒並み予想を上回るのを無視することはできず、「インフレに対処するツールは持っている(から安心しろ)」というコメントを出すようになりましたが、これがかえって市場の警戒モードを上げる結果になっています。

 FRBは、「量的緩和の縮小」議論を開始する方向に進んでいるようですが、カナダ銀行、イングランド銀行やRBNZ(NZ準備銀行)に比べるとまだ道筋は明確ではない。依然として結果主義に基づく平均物価目標(AIT)という枠組に組み込まれた慎重さを維持している。つまり、「緩和縮小を先延ばしするリスクは、早く行動するリスクを上回らない」という考えに従っているのです。

 しかし FRBが決断を先延ばしすればするほど、いざ政策シフトのときには、急激なギャップを伴うリスクが高くなる。その発火点は何か。FRBは、議論開始の前提条件は「雇用市場の力強い回復」であると述べています。明日は、米国の5月雇用統計。今日は明日の結果を予想するための材料となる重要な経済指標が発表されます。