勝率3割の投資術とは?

──今、夕凪さんがやっている手法だと大負けすることは少ないのでしょうか。

 一度、高値を更新すると、二度、三度更新することがあるといいましたが、実際には買った後、下落することもあります。というか、そっちのほうが多いのです。新高値で買って、さらに上がるのは3割いくかいかないか、くらいでしょう。

 つまり、勝率でいったら勝ちより負けのほうが多いんです。ただし、一つの銘柄で大負けすることはまずありません。

──なぜですか。

 買った後、株価が下がったら売却してしまうからです。早いものは、その日のうちに売ります。すぐに損切りするから損失額が少ないわけです。

──でも、いったん下落しても、また上がる可能性もあるのでは?

 高値を更新した後、すぐに下がってしまうような銘柄は、またすぐに高値更新する可能性は薄いと思っています。もちろん、例外はあります。でも、決して多くはない。だったら、大きな痛手を被る前に売ってしまったほうがいいという考えです。

 それに、売った後、高値を更新したら、そのときまた買えばいいんです。

──勝率が3割程度でもトータルで勝てるのは、一つには負けの金額が少ないからですか。

 それは間違いありません。

──ただし、一つ一つの勝ちの金額を大きくする必要もありますよね。

 そこで、僕が実践しているのが買い増しです。新高値で買った後、さらに高値を更新したら、そのタイミングで買い増しするんです。その後、また更新したらまた買い増しする。これを繰り返すわけです。

 一つの銘柄を、複数回に分けて買うことをピラミッティング(増し玉)というのですが、その方法を実践しています。

──高値を更新するたびに買い増しするので、当然、勝ちの金額が大きくなりますね。

 はい、株価が2倍、3倍になったときはもとより、そこまでいかなくても大きな利益を得ることができます。

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