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著者の天海源一郎氏が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 【国内株】10万円で投資できる日経平均採用バリュー株!波乱通過を見据えた押し目買いが有効(天海 源一郎氏)
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★筆者が選ぶ10万円株一覧は3ページに掲載しています。

台湾発の懸念が東京市場に飛び火

 4月26日(月)に公開した記事「10万円で買える割安株の代表選手『鉄鋼関連株』。株式投資の極意も伝授!」で取り上げた「鉄鋼関連株」は日経平均がもみ合う中でなかなかのパフォーマンスを見せました。

 以下は記事公開当日終値とその後の高値の比較です。

 この動きは、グロース株と比較してバリュー株の強さを示すことになりましたが、その直後、東京市場は波乱に見舞われました。5月11日(火)~13日(木)の3営業日で日経平均は計2,070円も下落し、2020年3月以来の下げ幅となりました。

 きっかけは米時間10日にNASDAQ指数が下落(2.55%安)したことです。その主因は、ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手のTSMC(台湾積体電路製造)が発表した2021年4月の連結売上高です。

 前年同月比16.0%増の1,113億1,479万台湾元(約4,364億円)となり、11カ月連続で1,000億元の大台を超えたものの、単月の過去最高額だった3月からは13.8%減少でした。

 このことにより、半導体株・ハイテク株に不安感が台頭したのです。東京市場でも半導体関連株がとくに売られました。

・台湾加権指数(2021年2月18日~5月19日)

出所:台湾証券取引所

東京エレクトロン(8035)の6カ月日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

SCREENホールディングス(7735)の6カ月日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

 さらに「米景気回復のスピードが速すぎるのでは」との見方も台頭し、インフレ懸念となって、日経平均の下落に拍車をかけた格好です。

 5月14日(金)には636円高と反発したものの、翌週17日(月)には高値から約480円も売られ、終値は259円安と反落、失望感が広がりました。

 この要因も「台湾」です。台湾株式市場は日本時間午前10時から取引が始まりますが(注文は午前9時半から受け付け)、TSMC株が構成比十数%を占める「台湾加権指数」が約3%下落する展開となりました。

 加えて、台湾での「コロナ感染拡大」が嫌気されました。これまで、台湾はコロナ感染を抑え込んでいる地域と認識されてきました。

 現状でも感染者の数は限定的ですが、主要都市の台北市と新北市でコロナ感染の警戒レベルが引き上げられるなど、急速に域内景気の先行きに不透明感が強まりました。

 このことにより、台湾の主要産業であり、世界的な影響力を持つ「半導体市場」に不安感が向かった格好です。折から半導体不足による世界経済への足かせが言われている時でもあり、さらに懸念が大きくなったと考えられます。