東京市場の急落局面は今年5度目
2021年ここまで日経平均急落局面は5度あります(今回含む)。その主因をまとめておきます。
(1)1月28~29日 2営業日で計971円安
*米ビデオゲーム小売り大手「ゲームストップ」株の乱高下=ロビンフッド事案。
(2)2月26日 1,202円安
*米金利上昇に伴う株価頭打ち懸念
(3)3月19~24日 4営業日で計1,811円安
*日本銀行によるETF(上場投資信託)買い入れスタンス変更による下値不安
(4)4月20~21日 2営業日で計1,176円安
*米テスラ株急落に伴う波乱+日銀ETF買い失望
(5)5月11~13日 3営業日で計2,070円安
*台湾TSMC業績、コロナ感染拡大による半導体市場不安+米インフレ懸念
要因を分類していくと以下のようになります。
- 「投機株の乱高下による投機売り波乱」……(1)、(4)
- 「日銀ETF買い入れに対する不安・失望」……(3)、(4)
- 「米インフレ懸念=米金利上昇」……(2)、(5)
- 「台湾半導体懸念=世界景気失速懸念」……(5)
いずれも、株式市場にとって最大の下落要因となる「不況入り」につながるものではなさそうです。
米個別銘柄の乱高下や米金利上昇は米マーケットの好調を背景とする事柄で、日銀のETF買いについても日本経済が平時に戻りつつあるために生じたことだと言えます。
株価の急変動に狼狽(ろうばい)し、急に悪シナリオをイメージするのではなく、2020年11月以降、コロナワクチン完成後の「後期コロナ相場」で有効な投資を続けるのがいい時かもしれません。
2020年11月から急動意を見せたのは「景気敏感株(バリュー株)」であり、有効だったのは「押し目買い」です。ここでは10万円で投資可能な主力(日経平均採用)バリュー株を参考として取り上げます。