初心者時代の体験談

Q:投資を始めて最初の成功体験を教えてください。
A:さまざまなセクターの中で、どの業種の株が一番伸びるかを的確に予想できたこと。

 セクターETFの投資が非常にうまいタイミングでできたと感じる瞬間です。

 投資を始めたばかりの頃ではありませんが、たとえば、2020年の秋ごろに米国のハイテク株が下落したタイミングで、テクノロジーではなく、SMH(ヴァンエックベクトル 半導体ETF)という半導体ETFへ投資を行うことができました。

 これは半導体の実需が好調になり、結果としてテクノロジーセクターよりも伸びると踏んだためですが、功を奏しました。        

Q:初心者時代の失敗談を教えてください。
A:仕組みもわからない状態で原油ETFを売買して損失を出したことです。

 仕組みもわからない状態で原油ETFに挑戦してしまったことです。

 利益確定のタイミングも損切りのタイミングも設定せずになんとなくの投資を行った結果、大きく上昇した局面でも大きく下落した局面でも利益確定・損切りができず、結局、さらに大きく下落したタイミングですべてのポジションを解約しました。            

▼その失敗体験で学んだことは?

 金融商品に投資をする際は、必ず、その仕組みについて最低限、知識を押さえる必要があることを痛感しました。また、投資を行う際には出口戦略が必要だということを悟りました。

 原油価格は、過去の水準を見ても数年間は同じレンジで推移しやすい、ということが後から分かりました。

 そのような過去の値動きの実績を踏まえ、売るタイミングをあらかじめ決めておくことの重要性を学びました。

Q:資金が少なかった時代にやってしまった失敗や、後悔していることなどを教えてください。
A:仕組みをよく理解していない金融商品で失敗しても、損失が出るだけで、学びがないこと。

 原油ETFでの失敗のように、仕組みの理解ができていない金融商品や、連動先の商品知識が乏しい状態での失敗は、「いくら実践が大切、実践から学ぶべき」といっても、あまり学べる要素もなく、投資の損失だけが残ってしまいます。

 少額資金でも投資する以上はある程度の知識を身に付けていないと、「失敗から学ぶ」ことすらできません。

Q:さまざまな成功・失敗を経て確立した投資手法や投資哲学を教えてください。
A:投資は期待値を上げることが重要。そのために必要なのはファンダメンタル分析や分散投資だと考えています。

 自分自身の体験だけではありませんが、結局のところ、株式投資は期待値を上げることが重要だと感じています。

 個別銘柄もセクターETFも、投資ではどうしても予測不可能なことが起こってしまいます。

 たとえば、最近では中国の大手コーヒーチェーン「ラッキンコーヒー」が2020年4月、粉飾決算のため、株価が9割以上も消し飛ぶ事件がありました。あのような事例を予想しろ、といわれても見破るのは非常に難しいです。

 では、どうするかというと、ファンダメンタル的に成長することが見込まれる銘柄でポートフォリオを組むこと。そうすれば期待値が上昇し、投資期間を伸ばせば、利益を得る確率も上がります。

 投資の勉強では、この「期待値」をいかに正確に判断できるか? という点を磨くことが重要だと感じるようになりました。