インフレは進むのか?

 現在米国の消費者物価指数は、前年同期比+2.6%とターゲットの+2.0%を上回っています。

米国の消費者物価指数(前年同期比)

単位:%
出所:セントルイス連銀データより筆者作成

 しかしこれは、(1)昨年コロナ禍で物価が沈静化、前年比較が容易であること、(2)コロナワクチン接種の進捗(しんちょく)で急に経済再開が進行していることで、あちこちにボトルネックを生じていること、という二つの特殊要因があり、そのどちらも一過性のことなので、いずれ物価はまた2%より低い水準まで自然に下がると考えられています。

 このシナリオ通りにすんなりと物価が沈静化するかを見極めるのは、辛抱強さが要求されます。

ジタバタせず今は我慢が必要なとき

 今は「よいニュースは悪いニュース」と受け止められがちな、難しい相場の局面に差し掛かっています。それというのも経済再開が順調に進行しているので、FRBは景気支援策を手じまいする必要が出てきているからです。FRBは政策決定の枠組みをリラックスしたものへと変更したばかりです。その関係で朝令暮改でそれをやめることはしないはずです。インフレはいずれ収まると思うので、今はジタバタせず我慢が要求されます。