注目はFOMCとバイデン演説
市場で浮上している早期の量的緩和縮小観測(テーパリング)については、3月のFOMC後の記者会見でパウエル議長は、「まだ、議論していない」と 一蹴しました。しかし、その後米国の経済指標は住宅や個人消費で強い指標が相次いで発表されているため、今回のFOMCでテーパリングの時期に関する議論がなされるのかどうか、あるいは記者会見で方向性などに触れるのかどうか注目です。
もし、触れれば、金利は上昇し、株は下落し、ドル高となりますが、しかし、雇用が完全に回復していない状況では、パウエル議長としては3月に続き触れたくないところです。雇用以外の指標が回復している中で、パウエル議長はどのように収めるのか注目です。
同じく28日のバイデン大統領の施政方針演説では、バイデン大統領の政策「アメリカン・ファミリーズ・プラン」の財源としてのキャピタルゲイン課税や所得税増税への言及によって米株式市場が再び下落するかどうか注目です。
22日に増税について報道された時は、株式市場は嫌気して大きく下落しましたが、上院では法案は通らないだろうとの見方から、翌日には株式市場は上昇しました。米株式市場における個人投資家の比率は4分の1程度であり、その中で富裕層は更に限られているため、影響は限定的との見方もあります。このような状況の中で株式市場がどのような反応をするのか注目です。今週発表されるGAFAの好決算が、テーパリングの議論や増税を跳ね返してしまうのかも注目です。
今週はそれ以外に29日には米国の1-3月期GDP速報値、30日にはユーロ圏1-3月期GDP速報値が発表予定です。GWで静かな日本のマーケットに対して、欧米のマーケットは騒がしくなりそうです。