「商品先物取引」とは、いったいどのような取引なのでしょうか?

物の本をめくってみれば、「あらかじめ定められた期日に、現在の価格で取引することができる取引・・・」などと書かれているのを目にすることがあります。

あらかじめ定められた・・・期限・・・現在の価格で・・・なにやら難しそうな言葉が並んでいます。難しそうな取引をこれから検討しようという方は少ない(というかほぼいない)とわたくしは思っています。

とかく、商品先物取引のルールは難解と思われがちですが、ここで連載するコラムを通じ、読者の方を、商品先物取引のできるだけ広い範囲について、理解を超えて納得の域に誘えるよう、分かりやすくお伝えしたいと考えております。

その初回となる今回は「商品先物取引」を認識する上での“位置づけ”の話です。

わたくしは、「商品先物」を表現する際の方法の一つに、「商品先物 = 商品 + 先物」という方法があると考えています。これは、商品先物取引とは何か?を表現する上で、最もシンプルで大切な方法であると考えています。

具体的に言えば、商品先物取引は、特有の変動要因を織り込みながら価格が変動する「商品(コモディティ)」という取引対象を、取引の種類の一つに数えられるレバレッジが効いて取引に期限のある「先物」で取引するもの、ということです。

対象が「商品」、取引の種類が「先物」、ということで「商品先物取引」ということなのですが、例えば、対象を「株価指数」に変えてみたらどうなるでしょうか。答えは「株価指数先物取引」、具体的な代表例は“日経225先物”ということになります。

また、取引の種類を「現物」に変えてみたらどうなるでしょうか。答えは「商品の現物取引」、具体的な代表例は「純金積立」ということになります。

図:身近にあるさまざまな「取引の対象」と「取引の種類」

出所:筆者作成

つまり、われわれの身近にあるさまざまな取引対象・取引の種類による組み合わせの一つに「商品先物取引」が存在するということです。逆に言えば、「商品先物取引」は、われわれの身近にあるさまざまな取引対象と取引の種類による組み合わせの一つにすぎない、ということです。

このことから言えることは、実は「商品先物取引」は、特別な人のための特別に難しい取引などということはなく、一般の投資家の方々がこれまでにさまざまな取引を通じて積上げてこられた知識や経験を活かすことができる場であるのではないか?ということです。

純金積立をされている方が肌で感じている金やプラチナの価格動向に関する知識、日経225先物を取引されている方が習得している先物特有の取引ルールについての知識、レバレッジが効いている日経225先物・信用取引・FX取引などの取引を行ったことがある人の経験・・・いずれも商品先物取引を行う上で大いに活用できるものであると思います。

心のハードルを少しだけ下げて改めて「商品先物取引」を見つめてみれば、何かわくわくする新しい発見があるものと思います。

次回は「商品先物取引」の“メリット”をお伝えします。