NISAの節税その1:配当金を受け取った場合は?

 まず、配当金を受け取った場合の節税効果についてみていきます。

 例えば株価1,200円で1株当たり配当金が48円の株を、非課税枠いっぱいである120万円分、つまり1,000株購入するケースで考えましょう。

 この株の配当金は48円、購入価格は1,200円ですから配当利回りは48円÷1,200円×100=4%です。この配当金がNISAの非課税期間である5年間変わらないとします。

 年間当たりの配当金は48円×1,000株=4万8,000円。これに20.315%の税率をかけて、税金は9,751円となります。

 これが5年間ですから、受け取る配当金に対する節税効果は、9,751円×5年=4万8,755円となります。

 いかがでしょうか。「節税効果はそれほどでもないなあ」というのが筆者の率直な印象です。

NISAの節税その2:値上がりして売却した場合は?

 次に、値上がりして売却益が生じた場合を確認していきましょう。ここでも、NISAの年間非課税枠いっぱいの120万円分を購入したとします。

 もし、この株が5年間で2倍に上昇し、売却した場合、利益は240万円-120万円=120万円です。

 これにかかる税金は、120万円×20.315%=24万3,780円です。

 5年間で株価が3倍になったのであれば、利益は360万円-120万円=240万円、税金は240万円×20.315%=48万7,560円となります。

 NISA口座で買った株であれば、これらの税金が非課税となります。

 NISA口座で購入した株が大きく値上がりした場合、売却益の節税効果は配当金に比べてかなり大きなものになる、といえます。