豪亜鉛鉱床の埋蔵量が4割増、2017年以降の業績好転に期待

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銘柄名 株価 情報種類
01208

五鉱資源有限公司

(ミンメタルズ・リソーシズ)

 3.70 HKD
(10/19現在)

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 BOCIは五鉱資源の2017-2019年の予想純利益を6-18%減額修正した。ペルーのラスバンバス銅山の7-9月の生産量が当初予想を下回ったとみられることや、小規模炭鉱2カ所の生産コストが予想以上に膨らんだことが理由。それでも、BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を6%引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。新たに行ったインフィルドリルやモデリングなどの結果、近く生産を開始する豪デュガルド川の亜鉛鉱床の推定埋蔵量、確認埋蔵量が43%拡大したことが理由。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIによれば、銅相場は向こう2-3年にわって上昇基調を維持する見込み。2017年に前年比28%値上がりした後、2018年、2019年にさらに1%、5%上向く見通しという。主要国の経済成長の加速に加え、各国の電気自動車(EV)普及政策が銅需要の伸びに寄与するとみられることが理由。『フィナンシャル・タイムズ』紙によれば、電気自動車1台当たりの銅所要量は80kgと、従来型自動車の20kgを大きく上回るという。ウッドマッケンジー社は、グローバル市場における銅の不足量が2026年に年間450万トンに達するとの見方。この数字は2017年の世界需要見通しの19%に相当する。

 一方、亜鉛価格は2016年初めからこれまでに2倍以上に高騰したが、BOCIは新規鉱山の稼働に伴い、向こう2-3年で価格相場が下向くと予想。その後、2020年には再び、供給ひっ迫感が強まる可能性が高いとしている。ウッドマッケンジー社によれば、亜鉛の年間不足量は2026年に520万トンに上る見込み。この数字は2017年の世界需要見通しの36%に当たる。

 世界7位の銅鉱山ラスバンバスと、世界9位の亜鉛鉱デュガルド川を傘下に置く五鉱資源は、世界クラスの資源会社。BOCIは銅価格の上昇や新規鉱山の貢献、利払い支出の削減などを理由に、2017年から同社業績が明らかに好転すると予想。2017-2019年のEPS成長率が年率平均51%に達するとみている。なお、デュガルド川の亜鉛採掘は年内にも始まる見通しという。

 BOCIによると、ラスバンバスの銅生産量は2017年7-9月期に前期比7%増加する見込み。販売量の対生産比率は4-6月の91.9%から96.5%に上向く見通しだが、それでもBOCI予想の100%をやや下回る。一方、ラオスのセポンでは台風上陸などの悪天候が痛手となり、7-9月には銅生産量が前期比19%減少した。

 BOCIは主にデュガルド川の埋蔵量の増加を受けて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、銅、亜鉛価格の予想外の急落や、予想を上回るペースでの米利上げを挙げている。