深セン前海の保有用地をめぐって現地当局との追加合意、詳細未定もプラス評価

現地
コード

銘柄名 株価 情報種類
00152

深セン国際集団

(シェンジェン・インターナショナル)

 15.42 HKD
(10/17現在)

株価
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 深セン国際集団は2017年10月13日、現在、ロジスティクス事業用に利用している深セン前海の土地(5区画、総面積約38万平方メートル)をめぐり、深セン市政府当局と追加合意した。それによると、深セン国際集団と市政府は同用地の再配置に伴う利益を4対6の割合で分配する。具体的には深セン国際集団が現在保有する用地を手放す代わりに、前海エリアの別の商業・住宅用地を譲り受ける運びとなる。この取引により、同社は2017年下期、あるいは2018年上期にも26億HKドルの利益を計上する見通しという(計上時期は土地評価報告の確定時期次第)。BOCIは2017年通期決算に対する強気見通しに加え、前海の保有用地の価値が顕在化する点を前向きに評価。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 深セン市西部沿岸地区の前海の用地をめぐり、同社と深セン市政府との協議が最初に大枠合意を見たのは2015年。その後、土地使用権などについて両者の協議と段階的な合意が続いた。今回の新たな補完的合意によれば、同社が保有するロジスティクス事業用の区画(地価25億元)は基本的に同社に帰属。一方、両者合意の下、ロジスティクスを超えて新たに用途をアレンジする部分に関しては、6割が深セン市政府、4割が同社に帰属する形となる。取引の詳細はまだ確定していないものの、この先、土地評価額が最終的に確定するのに伴い、同社は4割分の対価として新たに住宅・商業用地を受け取る。BOCIは今回の合意内容が同社にとってかなり有利になるとみている。

 ロジスティクス事業用途とされた土地に関しては、同社は2017年下期か2018年上期に当該用地の資産価値を除外し、同時に26億HKドルの売却益を計上する運びとなる。BOCIによれば、これに伴い、1株当たり0.39HKドルの配当上乗せ(税引き後)が見込めるという。

 一方、BOCIは有力道路事業の成長や物流パーク事業の拡大見通しを指摘し、同社の売上高が2017-2019年も増加傾向を維持するとの見方。前海地区の土地による利益見通しについては、時期や取引の詳細に関して不透明感が残るとしながらも、道路事業や深セン航空による貢献、さらに財務費用の軽減(為替差益計上)が2017年のコア利益の伸びに寄与するとみている。

 BOCIは深セン市当局との今回の合意を受け、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づいて利益モデルを調整した。取引の詳細がいまだ固まっていないとした上で、前海の土地の潜在的な補償費に関して50%のディスカウントを適用した上で、目標株価を設定。株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。また、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因として、土地交換協議の詳細な内容がどう固まるかという点を挙げている。