トップダウンで邁進する中国
執筆:田代尚機
≫前編へ「中国14億人の大消費力と加速する経済成長!注目銘柄と中国市場・前編」
中国の注目セクターは新エネルギー自動車関連です。
前編で自動車市場のことを書きましたが、この市場は現在、グローバルで、産業始まって以来の大きな技術革新の波に包まれようとしています。化石燃料自動車から、新エネルギー自動車へと全面的に移行する時期に差し掛かっているのです。
中国経済の最大の強みはトップダウンにより、よく練られた計画を元に、資本、技術を特定産業に集中させることができるといった点にあります。今年から始まった第14次五カ年計画では、引き続きイノベーションに重点が置かれており、重点分野の一つが新エネルギー自動車となっています。
中国国務院弁公庁は2020年11月2日、「新エネルギー車産業の発展計画(2021~2035年)」を発表しましたが、この計画では、2025年までに新車販売における新エネルギー車の割合を20%前後に引き上げ、2035年までには新車販売の主流を純EV(電気自動車)とすることが目標となっています。この目標を実現させるために、中央政府、地方行政は補助金を支給し、産業投資ファンドは積極的にスタートアップ企業に投資し、重要プロジェクトとして政府から承認された企業は銀行から多額の融資を引き出すことができます。国家を挙げて新エネルギー自動車の発展を促進しようとしています。