日経平均は2日続けて急落、日本株の下げが大きい

 4月21日の日経平均は、前日比591円安の2万8,508円となりました。2日連続で急落、2日間の下げ幅は1,176円(4%)となりました。大阪・東京などで緊急事態宣言が発令される見通しとなり、日本の景気回復が遅れる懸念が出たことが急落のきっかけとなりました。

 4月21日には、日本銀行が4月に入って初めて日本株ETF(上場投資信託)の買い入れ701億円を行いました。それでも、午後に日経平均が大きく反発することはありませんでした。

 日本独自の要因による急落なので、下落は日本が一番大きくなっています。

NYダウと日経平均比較:2020年10月1日~2021年4月21日(NYダウは20日まで)

出所:ブルームバーグより作成

 3月中旬以降、NYダウが堅調な中、日経平均の弱さが目立っています。日米の景気モメンタム(勢い)の差が、そのまま株価に出ていると思います。米景気は足元、回復色を強めています。ここからさらにバイデン政権が1.9兆ドルのコロナ対策財政出動を行えば、年後半に米景気が過熱する可能性すら出ています。

 一方、日本はコロナワクチン接種が遅れ、消費回復が遅れています。そこで、3回目の緊急事態宣言が出れば、米国との景気モメンタムの差はさらに開く可能性があります。

 それでも、ここは日本の景気敏感株を押し目買いすべきと私は考えています。緊急事態宣言が発令されれば、外食・観光・イベント・航空産業の低迷は長引くことが予想されます。ただし、中国・米国景気拡大の恩恵を受ける、自動車・半導体・海運・鉄鋼・非鉄・化学などの業績回復は続くと予想しています。したがって、景気敏感バリュー株を中心に買い増しする好機と判断しています。

 ただし、1つ気になる問題が起こっています。米中対立が激化する予兆が出ていることです。中国と経済的なつながりの大きい日本企業は、米中対立に巻き込まれてダメージを被るリスクが出ています。

 緊急事態宣言が出る影響よりも、米中対立に巻き込まれる影響の方がより重大な問題となっていくリスクがあります。