Never Really Over

 世界の株式市場がコロナ感染流行による最安値を記録してから1年以上が経ちました。その後の世界の株式は75%超上昇してコロナ前のピークから約2割も上回っています。

 今年に入ってからの株式市場は、米長期金利の急上昇や欧州でのコロナ感染第3波への懸念から神経質な取引が行われてきましたが、財政政策と金融政策の両エンジンがさらに一段の上昇余地を生み出しています。16日(金曜)のダウ平均株価は連日で史上最高値を更新。年初から11.7%高くなっています。

 アメリカをはじめワクチン接種が進む一部の国ではかつての日常を取り戻そうという動きが強まっています。欧州でもワクチン展開は英国に比べて大幅に遅れていましたが、徐々に接種率は上昇しています。

 ワクチン接種率は経済正常化に向けたバロメーターと考えられています。アメリカでは3月末までに全国民の30%強に当たる1億人余りが少なくとも1回のワクチン接種を受けました。(日本はわずか0.76%。)しかしその一方でアメリカでは今も平均で1日約65,000人が感染しています。(日本は約2,500人。)

 ワクチンは万能薬ではない。ただワクチンと株価との関係を考えたとき国民にワクチンが行き渡るほど、その国の経済の正常化が速く進む。治療法が分からず重症化や死の危険があるウイルスと危険だが予防手段があるウイルスとでは社会の対応が全く違ってくる。これがワクチンの経済効果です。