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世界経済は急成長局面入り。「コロナワクチンの普及」が前提

 IMF(国際通貨基金)は4月6日に改定した世界経済見通しで、2021年の世界経済の成長率見通しを6.0%とし、今年1月に公表した予測値から0.5%ポイント引き上げました。

 まずはコロナ禍で2020年の成長率がマイナス3.3%成長に落ち込んだことに対する反動が主因ですが、アメリカを始めとする各国の積極的な財政出動がさらに押し上げている構図です。

 アメリカの成長率予測は6.4%と極めて大きな成長が予想され、日本株にも大きな影響力がある中国についても8.4%成長と前回から0.3%引き上げ、先の全人代で中国政府が目標とした「6%以上」を大幅に上回る予測となっています。日本についても3.3%成長(前回より0.2%ポイント上方修正)としています。

 このことから、世界経済は急成長局面入りしていると判断することができます。欧米の株式市場が史上最高値を更新し、東京市場でも日経平均が再び3万円を回復、TOPIX(東証株価指数)がバブル崩壊後の高値を更新していることに不思議はないと見ていいでしょう。

 もちろん、ともすれば成長の腰を折るかもしれない不安材料も存在します。1つは政府(政策)主導の需要回復に供給が追いつかないリスクです。さかんに言われている世界的な半導体不足はその象徴的な現象で、自動車業界がさらに減産を強いられる恐れもあります。生産停滞の長期化は先進国の雇用に関わる問題です。

 もう1つは、高成長は「コロナワクチンの普及」が前提であることです。今のところワクチンの供給に決定的な問題は出ていませんが、仮にそれが生じると成長率の足を引っ張ることが想定されます。