商品指数は3月に入り調整、生産者物価指数は今後の消費者物価指数の上昇を予想させる

 さらに、消費者物価指数の先行指数と言われている商品指数と米国生産者物価指数についてもみていきましょう。

ダウ・ジョーンズ・コモディティ指数の推移(2019年1月~2021年3月)

出所:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスのデータを基にマネーブレイン作成

 商品指数は2月にかけて大きく上昇してきましたが、3月に入ってからは調整してきています。

米国生産者物価の推移(2019年1月~2021年2月)

出所:米労働省労働統計局のデータを基にマネーブレイン作成

 2月の数値は前月比+0.5%、前年比+2.8%となっていて、今後の消費者物価指数の上昇を予想させるものとなっています。

 全体としてみると、消費者物価指数、PCEデフレータともに、食品やエネルギーを加えた総合指数に比べて、コア指数のほうは上昇が抑えられています。これは、コア指数において大きな割合を占めるのが住宅関連であり、コロナウイルス感染症の影響で家賃が上がっていないことが1つの要因となっています。

 FRBのPCEデフレータの予測は、コア指数で2021年:2.2%、2022年:2.0%、2023年:2.1%となっていて、2023年末までは、ゼロ金利政策が継続される見通しとなっています。

 物価上昇が顕著に表れるのは総合指数に限られるのか、FRBが重視していると言われているコア指数にまで波及してくるのか、今後のテーパリング(量的緩和策における金融資産の買い入れ額を徐々に減らしていくこと)や、利上げの時期に大きく影響してくるので、引き続き、毎月の動向を注視していきたいと思います。

★今回の記事『米国消費者物価の今後を予測。FRBの金融緩和どうなる?(3)』のオンライン解説を、4月3日(土)17:00~17:30に行います(参加費無料)。
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