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消費者物価指数予測:3月から7月まで2%以上、コア指数は4月、5月、6月に2%以上

 米国においては、FRB(米連邦準備制度理事会)の大規模金融緩和に加えて1.9兆ドルの新型コロナウイルス追加経済対策法案も可決し、インフレ懸念の声が増してきています。2020年末には1%未満だった米国10年国債利回りが、本年3月には一時1.7%を上回るなど大きく上昇し、米国長期金利の動向に対する注目もこれまで以上に高まってきています。

 FRBのパウエル議長は、3月17日の記者会見においても「消費の回復によって物価上昇の圧力が強まる可能性はあるが、一時的だ」というコメントをしています。しかし、本当に物価上昇は一時的なもので終わるのか、米国の消費者物価指数とPCEデフレータについて今後の動向を予測していきたいと思います。

 まずは、消費者物価指数についてみていきましょう。直近の2021年2月の数値は前年同月比+1.7%、コア指数で+1.3%となっています。

米国消費者物価の推移(2019年1月~2021年2月)

出所:米労働省労働統計局

 今後の予測をしていきましょう。予測する上では、食品・エネルギーを除いたコア指数の直近値である年率1.3%で上昇していくものと仮定します。また、本来であれば季節調整をすべきですが、ここでは季節調整はしないものとします。

 今後の予測は次のようになります。

出所:米労働省労働統計局の公表データを基にマネーブレイン作成

 消費者物価指数で3月から7月までいずれも2%以上に、コア指数でも4月、5月、6月に2%以上となっています。