あなたはその「手段」にどこまでリソースを割くべきか

 私たちはしばしば、投資そのものを目的にしてしまいがちです。もし、あなたの投資が本来は目的であって、手段ではない、と気づくことができたらそれは大きな発見だと思います。

 しかし、その先にまだ考えるべき課題があります。あなたは「手段」にどこまでのリソースを注ぎ込むべきかという問題です。

 定期預金で資産形成をしようとする人は、低金利と安心のトレードオフを受け入れつつ、「何もせずに元本が保証され、少しは利息がつく」という運用を選択しています。

 仕事やプライベートに預金は一切邪魔をしません。しかし、株式や投資信託を用いて投資を行う人は、スリルを目的としないとき、どこまであなたの人生の時間的資源を配分するべきなのでしょうか。

 毎日、テレビ番組の「モーニングサテライト」を視聴し、「トウシル」に毎日アクセスするのが楽しい人は、毎日数時間をマーケットとつきあっても苦にならないでしょう。

 しかし、マーケットニュースがあなたの本業にはほとんど無関係で、情報収集や分析をするのが「しんどい」と思うのなら、賢い省力化を図ってもいいわけです。

 例えば、期待リターンは落としても、投資信託やETF(上場投資信託)メインのトレードにしたり、売買頻度を数年以上のスパンに据えるだけで、いわゆる「投資の負担」は軽減させることができます。

 私は銘柄の選択、売買判断はファンドマネジャーに任せて、自分の仕事とプライベートの充実に時間を注ぎたいと思っているので、運用のほとんどは投資信託に委ねています。

 判断は人それぞれで構いません。しかし、「投資は目的ではない」という原点に立ち返って、あなたはどれくらいのリソースをそこに割くか、考えてみることをオススメします。