あなたの資産形成はすべて「手段」であって目的ではない

 あなたの資産形成は何を目的としているのか、ときどき問いかけてみることをオススメします。

 資産形成には何らかの目的があるはずです。

 子どもが高校や大学に通うことになったときのため、学費を貯める人には明確な目的があります。マイホームの購入を目指して頭金を貯めている人にもはっきりとした目的があります。

 そこで、リスク資産での投資を組み入れるかどうかは判断が必要ですが、資産形成が無目的に行われることはまずありません。学費準備の一部に投資を組み入れるなら、そこにもきちんと投資の目的があります。

 ぼんやりとした安心の確保、ということもあるでしょう。病気やケガ、あるいは不意の失職などを考えれば、3カ月分くらいの生活費が定期預金にあるだけで、ずいぶん安心です。雇用保険や健康保険の給付ももらえるとしても、やはり生活の不安は大きく減少します。

 老後の備えも同じです。金額目標がはっきりしていなくても、将来の不安のために積み立てや投資をしている人がたくさんいます。

 金融広報中央委員会の調査では、資産形成の目的の第1位は老後への備えとなっています。

 アーリーリタイアメントを志す人も同様です。自分がやりたい何かを持っているからこそ、私たちは資産形成を試み、目の前の生活を切り詰めます。

 投資は人生の目的ではなく、本来的には手段であるわけです。