ユーロがくるぅ~!

 ECB(欧州中央銀行)は1月の2021年最初の政策会合で政策金利を現行の0.00%に据え置きました。

 ユーロドルが昨年、ユーロ高へと大きなトレンド転換を果たしたのは、ドイツとフランスの主導による欧州復興基金の設立が大きな理由。欧州の統合を単一通貨(ユーロ)にとどまらず、財政分野まで深めるための重要な一歩が欧州復興基金でした。ユーロをドルに対抗する第2の基軸通貨に育てるための壮大な計画であり、コロナ景気対策以上の大きな意義があります。

と、理想は高かったのですが、実際の運用となると各国の思惑が複雑に絡み合い100%の効果を上げていないのが実情。それでも、ギリシャやスペインなど周辺国の破綻リスクが格段に低くなり、欧州に対してより安心して投資できる状況になりました。

 欧州では、米国や英国に比べてワクチン接種が遅れていました。ユーロがドルやポンドに対して安くなっていた理由のひとつです。しかし、EU域内の全成人3億人が6月中に接種を受けられる分量を(ワクチン輸出禁止までして)確保したとEU委員長が発表したことで、ユーロの大きな懸念材料が消えました。

 欧州経済は、米国経済に比べて出遅れていた分だけポテンシャルがあるというスローガンのもと、去年の夏と年末に「ユーロブーム」が起きています。第3次ユーロブームはいつ起きるのか。これがマーケットの興味です。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成