本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは109.80

下値メドは107.55

コロナ感染の後遺症で
年単位で人生を棒に振るくらいなら
もう少し我慢の生活を選ぶ方がいい

 10日(火曜)のドル/円は、ようやく円高。10営業日連続で高値を更新したあとに、米長期金利の低下と共に下落しました。この日108.84円でオープンしたドル/円は、東京時間午前に109.23円をつけて昨年6月以来の高値を更新。しかしその後は、米10年債利回りが一時1.52%台まで低下したことを受けて下落、NY時間夕方には108.41円まで値を下げました。終値は108.50円。終値の108円台は3営業日連続。米長期金利の低下で米株式市場は上昇。金先物価格も1週間ぶりに反発しました。

 昨日の為替Walkerでも書きましたが、マーケットでは「そろそろ…」感が出始めていて、円高狙いのトレードも少しずつ増えているようです。円安の勢いは続きますが、多少注意したほうがよさそうです。円と同様に売られていたスイスフランが、昨日の海外市場で積極的に買い戻されたことも気になるサイン。

 BLS(米労働統計局)が3月5日に発表した雇用統計によると、2月のNFP(非農業部門雇用者数)は、37.9万人増加。失業率は6.2%で、コロナ流行前の3.5%に比べるといまだ高水準ながら、順調に低下しています。 イエレン財務長官は以前、実際の失業率は雇用統計の6%よりも、「むしろ10%に近い」と慎重な発言をしていましたが、最近では「来年の雇用はコロナ流行前のレベルに回復する可能性ある」と前向きな見解に変化しています。これは気に留めておきたいと思います。

 米国ではレジャー関連を中心に、この数ヵ月間で60万人近くのレイオフが行われました。しかし、コロナ感染者数の減少とワクチン接種の拡大によって、雇用統計の数字が示すように、これらの人々が再び労働市場に戻ってきています。

 米国は、今年中に全ての米国人がワクチン接種を受けるように計画が進んでいます。人口の一定以上の割合が免疫を持つことによって感染流行がなくなる集団免疫の期待も高まっている。そこに移動制限の解除が進むことで、第2四半期の米労働市場は急拡大するとの見方が強まっています。

 市場が予想するFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ時期はそれほど早まってはいません。しかし、いったん利上げが始まったなら、予想以上に「速く」そして「高く」なると考えています。米長期金利は今後も上昇する可能性が高い。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

勝負に勝ちたいなら正しいやり方を覚えなくちゃダメだ。いつまで我慢すべきか、降りるのはいつか。いつ席を立つのか、そしていつ逃げ出すのか。