パウエル議長「米金利は、レリゴー」

 パウエルFRB議長をはじめ連銀総裁などFRBのメンバーは、マーケットに対して統一されたメッセージを繰り返し発信しています。

 まず、最近の米長期金利の急上昇については、パウエル議長は「景気対策やワクチンに(前向きに)反応した結果である」と答えています。長期金利の上昇を望んでいるわけではないが、少なくとも抑制する考えはない。長期金利については「ありのままに(Let it Go)」のスタンスです。

 一方、インフレに関しては、今後数カ月のうちに発生するのは「一過性の現象」であるから、FOMC(米連邦公開市場委員会)はそれら一切をスルー(無視)すると伝えてきました。春のインフレ上昇は、ベース効果によるところが大きい。ワクチンの普及と移動制限の解除で期待される夏の消費拡大による物価高もカウントしない。FRBが求めるのはそのような一過性の現象ではなく、インフレ動態の真の改善であると述べています。

 中央銀行の立場としてはそれでいいかもしれませんが、インフレを経験したことがない一般消費者の多くはどうでしょうか。インフレは食料品から始まるといわれますが、コーヒーの値段が倍になりカップラーメン500円の時代が来た時に、平静でいられるのでしょうか。