プラチナ価格は、国内外ともに1週間で10%超、上昇。およそ6年ぶりの水準に
以下の図のとおり、プラチナ価格は先週1週間で、10%以上、上昇しました。株価指数、通貨、コモディティ(商品)、暗号資産の4つのジャンルを横断した合計25の主要銘柄の騰落率ランキングにおいて、プラチナは、ビットコインに次ぐ2位となりました。
図:ジャンル横断騰落率ランキング(2021年2月5日から12日)
※上海総合指数のみ休場のため2月11日まで
日米中の主要株価指数や、原油、銅などの景気連動型のコモディティが総じて上昇したことから、先週は、市場全体が、リスクを取って運用を活性化する“リスク・オン”のムードで覆われた週だったと言えます。
下落した銘柄は、金融緩和の最中で資金の流通量が増加しているドル、先々週まで上昇が目立ち、利益確定の売りが膨らんだトウモロコシなどの穀物でした。全体的には、上昇銘柄数が19、下落銘柄数6、騰落率の平均(最大最小を除く)は+1.8%でした。
全体的に“強い”状況の中、プラチナの上昇率(+11.1%)は、普段から比較的変動率が高い傾向があるビットコインに次ぐ25銘柄中2位、また、昨年11月以降、騰勢を強め、ついに60ドルを回復するなど、上昇に勢いがついている原油よりも高い値でした。
先週の値動きを受け、国内外のプラチナ価格はおよそ6年ぶりの水準に達しました。足元、世界のプラチナ価格の指標の一つであるNYプラチナ先物は1トロイオンスあたり1,260ドル近辺、NYプラチナ価格におおむね連動し、国内のプラチナ価格の指標である大阪プラチナ先物は1グラムあたり4,090円近辺で推移しています。
図:NYプラチナ先物と大阪プラチナ先物価格の推移(中心限月 月足 終値)
騰勢を強めるプラチナ市場で何が起きているのでしょうか。このような時こそ、関連する材料を俯瞰する(鳥の目線のように高いところから全体を見渡す)ことが必要です。
次より、ポイントとなる材料を挙げ、それらを、短期(足元、プラチナ価格が騰勢を強めている要因)、中期(この数カ月間、プラチナ相場を支え、今後も支え続けるとみられる要因)の大きく2つに分類しながら、今後を展望します。