企業型DCの投資教育では「50代の運用の出口戦略」が話題
日本における個人向け投資教育がもっとも広範囲で行われているのは、企業型の確定拠出年金(以下、企業型DC)の導入企業です。750万人以上の現役世代が投資可能な口座を開設していますが、必ずしも投資に関心があるわけではなく、知識不足ということは少なくありません。
法令上、会社には企業型DCの加入者(社員)に対して投資教育を行うことが義務づけられています。とはいえ、教育プログラムについてはどのような内容が最適か、試行錯誤が続いています。
例えば「アセットクラスや商品性の理解」「基礎的な投資理論」だけでは十分ではないので、「ライフプラン教育(老後資産形成の考え方)」を加味しようという流れがありました。「老後に2,000万円」より早く、自助努力のリタイアメントプランについて教育されてきたわけです。
近年の継続投資教育現場で話題となっているテーマの一つに「世代別」の教育アプローチがあります。若年層とリタイアを控えた世代への教育の内容を分けてみようというものです。
というのは、世代によってリスク許容度が異なり、モデルポートフォリオも自(おの)ずと異なってくるからです。投資をする残り期間も20代と50代後半ではずいぶん違います。
企業型DC制度のスタートから20年を数え(2001年10月施行)、徐々に資産を積み上げて受給タイミングに差し掛かる世代が増えてきていることも、リタイア直前教育の流れを後押ししています。
何せ1,000万円以上の資産をもってリタイアすることも珍しくなく、受け取り直前に30%の急落(2020年3月のような)があって、パニックになっては困るからです。
さて、このコンテンツ、私たちにも役立つところがないか考えてみましょう。