DCに限らず、運用の「終わらせ方」は考えておくといい

 今回は企業型DCの考え方を紹介していますが、これは個人の資産運用の終わらせ方にも通じるところがあります。

 企業型DCの大きな特徴は「75歳には受け取る」という条件があることです。ある意味、強制的に運用の手じまいを求めます。ちなみに75歳まで(現行では70歳まで)受け取らないで放置した場合、強制解約をされて一時金として振り込みされます。

 しかし個人の手元資金運用では、こうした年齢制限は課せられないので、自分なりに「運用を終わらせる」あるいは「運用の規模を縮小する」ということを考えておくほうがいいでしょう。

 資産運用は知的好奇心を満たし、常にアップデートされた情報と向き合う点では高齢者にとってよい刺激でもあります。しかし、何千万円もの投資を数百万円程度にとどめるような縮小は考えておいてもいいと思います。

 マネープランのセミナーで私が話すことの一つに「投資は目的ではなく、そのお金で何をするかが目的」があります。

 いつまで投資をするのか、利益確定を今考えるべきか、悩んだときは、「そのお金でしたいことは何か」「いつ頃、そのお金を使いたいのか」を自分に問いかけてみると、運用の終わらせ方の答えが見つかるかもしれません。