資金使途の時期が近づいたら、利益確定を考えるのが基本
引退が近づいてきたとき、リスク資産運用の基本的なアプローチとしては「資金使途の時期が近づいたら、利益確定を考える」ということになります。
企業型DCは基本的には退職金制度の一部であるため、積み立ては定年退職時にストップされます。受け取りは60~70歳の間で任意に決められます(法改正により2022年4月以降は60~75歳までの間に拡充される)。
現状では多くの方は60代の前半に受け取っているようです。老後資金としての使い道を考えたとき、受け取り直前に市場の急落があって受給額が大きく目減りするのは避けたいところです。
2020年のマーケットは急落からの急回復があったため、同年内でプラスに転じましたが、これは結果論です。リーマン・ショックなど過去の例を考えると、回復に5年以上の時間を要することは珍しいことではありません。となると、「受け取り時期をライフプラン上、設定される場合は、その一定直前に投資資金を預金などの安全性の高い資産にシフトする」ことが必要になります。
簡単にいえば、「50代の後半になってきたら、今のマーケットが十分上昇していると思われるなら、利益確定の運用指図をしておく」ということです。