米雇用統計、良すぎて起きる副反応の心配も

 前回12月雇用統計では、非農業部門雇用者数が昨年4月以来のマイナスに落ち込みました。コロナ感染拡大が止まらず全米の約1/3が部分的なロックダウンに置かれた状況では雇用市場が縮小するのは当然。しかし、マーケットに動揺は見られず、逆に米株式市場では主要3指標が揃って最高値を更新。なぜかというと、ワクチン接種が順調に展開するなら、いずれ問題は解決するだろうという楽観的な見方の方が強かったからです。バイデン新政権の大型景気刺激策が労働市場を救ってくれることをマーケットは期待しています。

 12月非農業部門雇用者数のマイナスは、レジャーや接客業の雇用減が主因ですが、「新型コロナの直撃を受けたこれらのセクターを除くと、雇用の状況は見出しの数字が示すよりもバランスが取れている」とクラリダFRB(米連邦準備制度理事会)副議長は指摘。FRBも雇用縮小は一時的という見方に賛成している。別の見方をすると、これ以上の緩和政策は期待できないとことになります。 あまりに良すぎる雇用統計で、一度は沈静化した「緩和縮小」議論が復活することもありえます。