株安でドル高はなぜ? 

 2020年、新型コロナが世界を襲いNYなど米国の主要都市が次々とロックダウンされていくなかで、投資家は現金(ドル)が手元になければパンも買えないし、逃げ出すための車のガソリンも買えないとパニックになって株券の換金を急ぎました。「リスクオフはドル高(円安)」という関係になったのはこの時からだと記憶しています。それまでは長い間、「リスクオンはドル高(円安)」という関係が存在していました。

 ところが、昨年12月にコロナワクチンの開発が成功し供給が始まると、世界経済回復の期待から「リスクオンの時はドル安(円高)」という関係にかわりました。なぜリスクオンでドル安かというと、パンもガソリンも普段通り買えて安心したので投資活動が再び活発になり、米国に一極集中していたマネーが他の地域へと分散投資されたというわけです。

 その関係でいうと、今はその逆、株価が下がり投資家のセンチメント(投資意欲)が下がる状態の「リスクオフ」だから「ドル高」になるわけです。