運用で利益が出たとき、税金がかかるの?

 投資信託に投資すると、売却時の利益(運用益)や分配金に対して、約2割の税金がかかることをご存じですか(※)。たとえば、1,000円の運用益が出た場合、約200円の税金がかかり、実際に受け取るのは約800円です。運用益が1万円なら、手元に入るのは約8,000円と、結構、税金がかかりますよね。

 この運用益にかかる税金ですが、いま話題の「iDeco(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」、さらに2018年1月からスタートする「つみたてNISA」を利用すれば、一定の条件で税金がかからないのです。何しろ、運用益1,000円をそのまま受け取れるのですから、これを利用しないなんてもったいないと思いませんか?
※復興特別所得税を含めて20.315%(2017年現在)。

 実はこのような優遇制度ができたという背景には少子高齢化が進み、国が高齢者の生活の面倒を見切れないということがあります。そして「税金をおトクにしますから、ぜひiDeCoやNISAを使って資産を増やしてください。国に頼らず、自分の老後資金は自分で備えてください」という国からのメッセージが込められているのです。

 

利用すれば、いくらおトクになるの?

では、これら3つの制度について、おトクなポイントをご紹介します。

iDeCo

 投資資金(掛金)が所得控除になり、お給料から引かれている所得税や住民税が安くなる、というメリットがあります。たとえば、パパの給与年収が600万円で、ママは現在育児に専念している場合、パパがiDeCoに月2.3万円を拠出すると、年間約5.5万円も税金が安くなります。単年度で見れば、掛け金の20%分税金がおトクになります。

 一方、口座管理料がかかること、60歳までは原則やめたり引き出しができないという制約があります。

NISA

 年間120万円までの投資額に対する運用益(分配金、配当金)が非課税となります。期間は5年間です。

つみたてNISA

 長期積立投資を応援するため2018年からスタートする制度です。NISAの非課税期間が5年であるのに対し、つみたてNISAは20年間です。注意点は、NISAとつみたてNISAは併用できないことと、今までNISAで購入した商品をロールオーバーできないことです。今までNISAを利用していた方は、種類変更は慎重に検討する必要があります。

iDeco、NISA、つみたてNISA比較表

出所:2017年10月時点の制度発表を元に、FPフローリスト作成